/    /  タイヤを研磨する効果
安全性の向上

タイヤ性能を乗り出し時から発揮させ、また回復させることで、安全性を向上します。

静粛性の向上

偏摩耗やトレッドの荒れを修正することで、ロードノイズを減らします。

快適性の向上

研磨によりトレッドの荒れを修正することで、振動を減らします。

経済性の向上

タイヤの安全寿命を伸ばし、使用期間を伸ばします。

環境性の向上

タイヤの廃棄を減らし、省資源、CO2の削減に貢献します。

十分な性能を残したまま廃棄されるタイヤ

「けんま君」が開発された北海道では、スタッドレスタイヤのトレッドの高さやゴムの柔軟性などの基本性能が十分に残っている状態であっても、「やや滑りやすい」と感じる、あるいは性能変化の確認まではしていませんが、「一定の使用期間が経過した」という理由で新しいタイヤに交換される場合があります。しかし、基本性能が確保されているタイヤであれば、タイヤ表面を薄く研磨することでタイヤ性能を回復させ(安全性)、タイヤ寿命を伸ばすことができ(経済性)、ひいてはタイヤの廃棄量を減らすことができます(環境性)

 

また、それほど積雪が多くない地域におけるスタッドレスタイヤの使用は、偏摩耗を起こしやすく、走行音の増大や燃費の低下を招く原因になります。一方、夏用タイヤも同じように偏摩耗を起こすと走行音が大きくなり、燃費も悪くなります。また、高速走行時のハンドリングに悪影響を及ぼします。加えて、電気自動車(EV)化が進み、車自体の走行音が小さくなることで、タイヤによる走行音や振動が、より問題となってきます。タイヤに研磨をすることで、走行音や振動を改善することが可能になります。(静粛性)(快適性)

スタッドレスタイヤが性能を発揮するしくみ

スタッドレスタイヤで最も要求される性能は、アイスバーン上でのブレーキ性能および発進性能です。氷上での性能を向上させるためには、ゴムと氷の摩擦係数を高めることが最も重要ですが、他にも下記のことが重要な要素になります。

1.タイヤと路面の設置面積を、できるだけ大きくすること

低温時でもゴムが硬化しないように、「シリカ」(ケイ素)という物質を配合することで、寒い時でも路面に密着しやすくなります。

2.タイヤと路面の間に発生する水を、すばやく除去すること

タイヤの表面に「サイプ」という細かい溝をたくさん付けたり、発泡ゴムを使用することで、走行中に発生した水の逃げ場を作っています。

3.氷面への引っ掻き効果を持たせる

上記の「サイプ」は、排水性を上げるとともに、エッジ部による引っ掻き効果もあります。
また、タイヤのゴムにファイバーなどの材料を混ぜ合わせることで、引っ掻き効果を狙った製品もあります。

タイヤの性能を向上および回復するための研磨

1.新品のタイヤ

新品のタイヤは、製造時の金型の表面と同様に、トレッド面はツルツルであるだけでなく、表面に空気抜き用の「ヒゲ」があり、さらに表面には油分が残っており、グリップ性能は著しく悪いです。
スタッドレスタイヤの場合、新品でも、凍結していないアスファルト路面を、ある程度長距離を走行すれば、トレッド面の粗さは理想的な状態になり、グリップ性能が出ます。しかし、路面が雪に覆われてからでは、トレッド面を適度に削れないため、タイヤ本来の性能が発揮されず非常に危険です。
路面が雪に覆われてから新品タイヤに交換することになっても、「けんま君」で表面を研磨してから装着することによって、乗り出し時から最高のグリップ力を発揮してくれます。

2.スタッドレスタイヤ

(独)産業技術総合研究所の研究では、トレッド面の表面の粗さが20~100㎛程度の時に、氷結路のグリップ性能が最も良いことが明らかになっています。トレッドの材質に発泡ゴムを使用したり、気泡の粒を材料に混ぜ合わせたりしていますが、これらもタイヤゴム内に小さな穴をたくさん持たせることで適度な粗さの確保を狙ったものです。
スタッドレスタイヤは、数年の使用により、表層部のゴム質の劣化や変形が起こります。また、冬路を長く走ることによって、タイヤの表面の粗さも、上記の適正値幅より細か過ぎになってしまい、氷結路でのグリップ性能が下がります。
これらにより、トレッド面(接地面)の高さが十分に残っているにもかかわらず、タイヤを交換せざるを得ないことがあります。
そこで、タイヤの表面をごくわずか(0.2mm以下)研磨することにより、いびつになった表面を修正し、適度な粗さを与え、トレッドの角を復活させることにより、グリップ性能を回復させることができるのです。

*(独)産業技術総合研究所 二瓶光弥氏ほか。
「タイヤトレッドの粗さが氷上性能に与える影響」 トライボロジー会議予稿集 1998-11、P411~413

3.偏摩耗タイヤ

スタッドレスタイヤ、夏タイヤとも偏摩耗したタイヤを研磨すると、走行音も静かになる効果があります。

タイヤの性能低下の要因とその対策

スタッドレスタイヤは、その使用により、徐々に性能が低下していきます。適切な時期に研磨をすることで、性能を改善することができます。夏タイヤでも同じことが言えます。

性能低下の要因 症状 改善策

トレッドゴムの経年変化

表面ゴム質の硬化
全体のゴム質の硬化

研磨して、硬化部を削り落す
新品タイヤに交換

トレッド面の摩耗

トレッド面の高さの不足
偏摩耗による路面との密着不良
サイプのエッジ部が丸くなる

新品タイヤに交換
研磨により、偏摩耗を修正する
研磨により改善

履き替え時、氷結路等の走行によりタイヤ性能が出ない

油分の残り
トレッド面の粗さ不足

研磨により、油分の除去
研磨により、適正な粗さ出し

環境、カーボンニュートラル、SDGs

世界では、年間11億本を超える自動車用タイヤが生産・消費されており、うち乗用車向けが約8億本、商用車等向けた約3億本です。
日本国内においても、2007年の自動車用タイヤの需要は、新車用として約5,500万本、販社販売用として約7,000万本、併せて約1億2,500万本あります。
大手タイヤメーカーのミシュランによると、乗用車タイヤ1本分に占めるエネルギー量は、石油27リットルに相当し、その内21リットルは合成ゴムなどの原材料に、6リットルは生産工程で使われると言われています。またトラックタイヤだと、これが石油100リットルに相当します。従って、タイヤの石油消費だけでも、世界で毎年500億リットルに相当します。
またタイヤコードを構成するスチールは、タイヤ全体の原材料重量の約10%に相当し、国内だけでも年間20万トン超を消費しています。
更に今後、中国やインド等での自動車の需要が見込まれており、タイヤ生産に消費される石油の量だけをとっても膨大な量になります。さらに廃棄タイヤの処分には多量の二酸化炭素を排出するという問題があります。
タイヤが一定の性能を発揮できる範囲で、より長く使われることは、省エネルギー、二酸化炭素の排出削減の観点から見て重要と考えます。

「けんま君」製品ラインナップ

Kenmakun Lineup

けんま君pit

けんま君Pit / 手動運転タイプ

けんま君labo

けんま君Labo / 集塵機付手動運転タイプ

けんま君auto

けんま君Auto / 集塵機付自動運転タイプ