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切れない包丁は、研ぐ。グリップ性能の落ちたタイヤは、研磨する。

タイヤ研磨装置「けんま君」でタイヤを研磨することによって、例えば5年で交換するタイヤを、7年もたそうという考えではありません。5年なら5年の範囲で、適切に研磨を行い、常に最良の状態(安全、静粛、快適、経済的)で運転してもらいたいと考えます。
包丁は切れなくなったら砥ぎます。タイヤもグリップ性能が落ちたら研磨するということです。

(独)産業技術総合研究所の研究

(独)産業技術総合研究所の研究では、トレッド面の表面の粗さが50~100μm程度
(凍結していない舗装道路をある程度以上、走った時の表面粗さは10~20μm)の時に、 氷結路でのグリップ性能が最も良いことが明らかになってます。※1
しかし、氷結したツルツルの冬路を長く走ることによって、タイヤの表面の粗さも細かすぎになります。(物と物が擦れる時、相手の表面の粗さにならう性質があります。)そこで、タイヤの表面を僅かに研磨することにより適切な粗さに戻し、いびつになった表面を修正。トレッドの角を復活させ適度な粗さを与えることで、 グリップ性能を向上させることができます。

※1:(独)産業技術総合研究所 二瓶光弥氏ほか、タイヤトレッドの表面粗さが氷上性能に与える影響、トライボロジー会議予稿集、 1998-11、p411-413

新品のスタッドレスタイヤ

新品のスタッドレスタイヤは、 金型の表面と同様にトレッド面はツルツルであるだけでなく、 表面に空気抜き用の「ヒゲ」があり、さらに表面には油分が残ってるので グリップ性能が著しく悪いのです。 この様な場合でも、凍結していないアスファルト路面を、 ある程度長距離を走行すれば、タイヤの表面の粗さは、理想的な状態になりますが、 雪に覆われてからではタイヤ表面を路面が削ってくれないため、 本来の性能が発揮されず非常に危険です。 雪に覆われてから新品タイヤに交換する事になっても、 本機でタイヤ表面を研磨してから装着することによって 取り付け時から最高のグリップ性能を発揮してくれます。

夏タイヤを研磨すると

また、夏タイヤを研磨することにより、偏摩耗を修正し走行音を低減することが出来ます。 本装置でタイヤを研磨することによって、 たとえば5年で交換するタイヤを7年使おうという考えではありません。 5年なら5年の範囲で、積極的に研磨を行い 常に最良の状態で運転できたら良いと考えます。 包丁は切れなくなったら砥ぎますが、 夏タイヤもグリップ性能が落ちたら研磨するということです。

研磨

研磨の方法

「けんま君Pit」の構造は、低速で回転するタイヤに、高速で回転する幅の広い研磨ベルトをエアシリンダーでタイヤに押しつけ、タイヤの表面を目視しながら研磨していきます。
作業手順は、車をジャッキアップしてタイヤを取り外し、空気圧を測った後、「けんま君Pit」のタイヤ回転軸に取り付け、研磨作業を行います。
研磨が終わったら、タイヤ回転軸からタイヤを取り外し、再びタイヤを車に取り付けて、作業終了です。

研磨に要する時間

タイヤ1本当たりの研磨に要する時間は、中型車までのタイヤサイズで、偏摩耗の少ないもので2分程度。偏摩耗の激しいもので、5分程度です。車1台の作業時間は、15分から30分程度です。
研磨する厚みは、スタッドレスタイヤのグリップ性能を回復させることが目的の場合、わずか0.2~0.3mmです。
偏摩耗を修正する場合は、トレッドの高い部分を低い部分まで削り落とすので、前記に比べて研磨量も多く、時間もかかります。

研磨できないタイヤ

「けんま君」シリーズによる研磨により性能の回復を図ることができるタイヤは、基本性能が十分に確保されているものであり、下記に示すようなタイヤは「けんま君」では対象としません。

・スリップサインまで摩耗した夏タイヤ
・プラットホームまで摩耗したスタッドレスタイヤ
・古くなって、ウォール部にひび割れのあるタイヤ
・亀裂や損傷のあるタイヤ
・コード層の露出したタイヤ

「けんま君」製品ラインナップ

Kenmakun Lineup

けんま君pit

けんま君Pit / 手動運転タイプ

けんま君labo

けんま君Labo / 集塵機付手動運転タイプ

けんま君auto

けんま君Auto / 集塵機付自動運転タイプ